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北京の人民大会堂の前で風に揺れる旗=2025年3月4日、北京、藤原伸雄撮影

 中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は30日、民間企業の発展を促す「民営経済促進法」を可決した。中国では国有企業が伸び、民営が振るわない「国進民退」と呼ばれる傾向が強まっている。経済が低迷する中、民間の活力を取り戻し、経済成長につなげることを目指す。

 国営新華社通信によると、新法は「国は平等な待遇、公正な競争、同等の保護を堅持し、民間経済の発展を促進する」と規定。大型公共事業などの国家プロジェクトに民間企業が参入しやすくするなど、国有企業との公平な扱いを保障する方針が示された。5月20日に施行予定。

 ネット通販最大手のアリババが2020年以降、中国当局から取り締まりを強化されるなど、中国では習近平(シーチンピン)指導部の下、民間企業への規制や取り締まりが厳しくなる一方、国有企業の優遇が進んだとされる。一方で長引く不動産不況で経済は低迷しており、民間の活力を取り戻すことが急務になっている。

 新法では、民間企業に過度な罰金を科すことや、国の機関が正当な理由なく民間企業への対価の支払いを遅らせることなども禁止した。

 中国共産党が7月に開いた党の重要会議、第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で公表されたコミュニケ(声明)では、同法を制定する方針を盛り込んでいた。

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